2021開幕に寄せて

 開幕、毎年居ても立っても居られなくなる開幕、プロ野球ファンにとってこんなにも背筋の伸びる日もそうはあるまい。

 

 昨年は11月までレギュラーシーズンが続いた(Aクラス入りしたドラゴンズもCSが無かった影響で早めの閉幕になった)ため、どうも例年のバイオリズムが整わず、よしの的にはキャンプイン~オープン戦の間は、野球に対する実感が確信めかずにいたものの、もはやあのヒリつく日々が明日に迫っている現実は、背骨に直接冷や水をぶっかけられたかのような厳然たるものである。

 

 毎年言っているが、特によしののような熱狂的な特定球団のファンは、その可能性が消えるまで優勝のみを見据えなければならないというのがよしののポリシーだ。従って今のよしのは、中日ドラゴンズが優勝・日本一の栄冠を勝ち取る映像を脳内で繰り返し再生している状態である。はっきり言って負ける気は一切していない。それどころか日本シリーズで、最近は思い切り分の悪いパ・リーグのどこぞの球団をコテンパンにしている画すら浮かぶ。考えてみれば当然だ。敢えて今更名前は出さずにおくが、ファームで日々汗を流した若い力と、頼もしくも凛々しい背中に惚れ惚れする主力の面々に加え、酸いも甘いも嚙み分けたベテラン選手が融合した野手陣がいる。更には群雄割拠の様相を呈する先発ローテーションと、個性がじんわりと光る鉄壁のリリーフまで揃っている。こんなチームが勝てない訳がない。よしのはそう信じ切っている。Aクラスに入った程度で小躍りして喜ぶのはもう終わりだ。

 

 そして彼等のバックに就くのは、苦しいドラゴンズを常に見守り続け、大きく成長したファンたちである。これは綺麗事で言っているのではない。吾々もまた竜戦士なのだ。吾々が日々の営みに負けなければ、ドラゴンズはきっと勝つ。瞬間々々に打ち克った者の声だけが、グラウンドの選手たちに届くのである。そのことを、吾々ファンは水底に沈む竜にひたすら祈り続けたあの日々から学んだはずだ。プロ野球とはそういう舞台である。

 

 ・・・とここまで読んでいただいた諸氏ならばよく分かったであろうが、開幕前のプロ野球ファンはここまで気合に満ち満ちている。市井に潜むひとりの「竜戦士」として、よしのも必死に闘うシーズンが、これから始まる。2021年が、riverside yoshinoの夢が叶う一年になることを、心から願っている。