地元を持たない気分屋・改

 あけましておめでとうございます。そして新成人の皆様は成人おめでとうございます(そもそもこの記事に辿り着く新成人などいるのだろうか?)。

 成人の日当日は街に繰り出し、牧のうどんを食べたり本を買ったり歩いたりした。そこら中に、イケイケの新成人男児諸君や、振袖のまま歩きにくそうに自撮りなどを決め込んでいる新成人の大和撫子諸君がひしめいていたので、割と馴染みのある街を歩いているはずだというのに、自分が「招かれざる客」である気持ちになってしまい非常に気疲れがした。その後にはライブを観て、CDを買った。招かれざる客ムードは引きずっていたので割と早めに帰った。

 よしのが成人したのがもう4年も前だとは俄かに信じたくない事実だが、よしのは結局通過儀礼としての成人式を経験せずに人生を終えることとなる。一応それらしきイベントとして、微妙に面白くなかった高校の同窓会の記憶だけが残っているが、成人式に出て、所謂「大人としての自覚」のようなものを持てないまま徒に齢を重ねた感覚がある。

 別に単なる反逆者精神で、「よしのの地元なんかクソ食らえ」的な背の向け方をしたわけではない。単に「地元」の意識がないのである。両親が転勤族というわけでもないのに。

 当然よしのにも人権と戸籍はあるので、成人した年には実家のある町役場(郡民なので「役所」ではなく「役場」と呼ぶ)から成人式の案内は届いたが、どうもこの町の成人式に出る意味が分からなかったのだ。よしのは生まれ育った実家のある町の学校に通ったことがたったの1秒もない。中学校までは「市内」の学校に通い、高校は反対隣りの町の学校に通っていた。「近所の友達」が学校にいた経験は限りなくゼロに近かった。

 成人式に出なかったときの、「友達だと思っていた人たちも、別によしの以外にうなるほど友達がいるんだろうな」という感覚は、実は未だに少し引きずっている。ちょっと大げさな表現かもしれないが、そういう環境がよしののことをとっつきにくい人間に育ててしまった感じも否めない。小中学生の頃、わざわざ時津のよしのの家にまで遊びに来てくれていた友達は、今頃どこで何をしているだろうか。彼等にも地元コミュニティなるものはあったのだろうか?

 

 そんなことは置いておいて、年末から正月にかけて、ここ数年抑え込んでいたはずのよしのの「気分屋」な側面がまたぶり返してきた。この期間本当にたくさんの情緒に触れてきたからかもしれない。どうやらよしのには「当たり」の日(=機嫌がいい日)と「外れ」の日(=機嫌が悪い日)がはっきりとあるらしい。年々、「虫の居所が悪いと本当に些細なことから癇癪を起こす人」と「気に食わないことがあると何も言わずにただ口を利いてくれなくなる人」の半分ずつで構成された遺伝子の力を強く感じるようになっている。勿論悪い意味で。こんなだから泥酔して入ったうどん屋で「メロンパンとチョコチップメロンパンが食べたい」などと言ってのけられるのだ・・・いかんいかん、なんでもかんでも親の所為、周りの所為にするのはよしのにとってトップクラスに恥じるべきことであった。

 

2022年、寅年はよしのの年。どうなるか分からんがよしのはもしかしたら、暮れには役小角みたいになっているかもしれない。

ということで、次回のKing Yoshino Rodriguez Ⅲのライブ情報です。

 

2/4(金)Songs Without Equal
@福岡UTERO
OP/ST 18:00/18:30
料金¥1500(+1d)

w/
鈴木拓
オクムラユウスケ
アンリ

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